検査の結果…ついに退院…

抗がん剤3クール目からの免疫力の回復を待ち、
血液検査、髄液検査、造影MRI検査の結果が良ければ
いよいよ退院が決まります。
1度ここで今までの治療の流れを振り返っていきますね。

抗がん剤1クール目(ICE療法)〜免疫回復の期間含めて約4週間((腫瘍をある程度小さくした段階で摘出手術に臨むための処置))
この時の腫瘍マーカーは桁違いに高く容態としては一刻も早く治療しなければいけない状態。

松果体腫瘍摘出手術(後頭部を開頭して腫瘍を摘出。腫瘍が視神経に癒着してたので摘出する際少なからず視神経に触れた影響で術後1ヶ月程は物が二重に見える複視を伴う。開頭した頭蓋骨はチタンプレートで接着されていて、一応金属ですが、空港などの金属探知機には反応しないそうです。)

術後2週間、放射線治療が始まる。
50.4 Gy(グレイ)という放射線量を28日間に分けて全脳全脊(脳全体と背骨)に照射。
((腫瘍の細かい細胞が髄液と一緒に全身を巡っている可能性があるため、再発を防ぐための治療))

抗がん剤2クール目(ICE療法)〜前回同様約4週間((2クール目以降の抗がん剤は再発予防のための投与))
1クール目→手術→放射線と立て続けに受けていたので、ダルさが強く出る。

抗がん剤3クール目(ICE療法)〜同じく約4週間((治療初期は腫瘍マーカーが高かったので、念には念を入れての再発予防))
今までにない残尿感から、膀胱炎になって血尿が出る。

ここまでざっくりと治療計画を書き綴ってみました。
そして血液検査、髄液検査と造影MRI検査を終え
腫瘍マーカーの値が出ました。
全ての値が陰性化(正常な状態)になっていて
長い闘病生活に終止符を打つことが決まりました!
先生が「検査結果もタツ自身の容態も良いので、来週退院な^^」
そして退院してから体力が完全に戻りきるのには、3年〜5年程かかると言われました。
先輩患者さんも退院後5年でやっと病気する前の様に体力が戻ったと言っているそうです。
「現時点での症状としては完治と言えますが、今後最低でも5年間定期的に外来検査をして様子が
全く問題ないとすれば松果体部混合性胚細胞腫瘍は完治と言っていいでしょう。」
ということは退院は決まったけど、まだまだ油断は禁物なんだなと実感しました。
これからは自分自身で体調管理をしていかなければいけない。
入院中は、ただひたすら「今日1日頑張って生きよう」
っていう気持ちで過ごしてたので、なんとなく闇雲にそうなってましたが
意外と気持ちは前を向くようにしながら一つ一つの治療を坦々と受けるように心がけてたので
今振り返ると案外あっという間だったのかなぁ…って思います。

アメリカのKaiser Permanente Los Angelesでの応急処置治療をはじめ、
日本に緊急帰国してから東京女子医大病院に入院し本格的な治療を受け
約10ヶ月間の闘病生活を終えることになりました。
そして、退院当日。

先生
「今だから言えることなんだけど、このまま何も治療をしないで放っておいたら
1年生きられる確率が数パーセントしかなくて、深刻に危ない状態だったんだよ。
だからここまで順調に回復できて本当良かったよ!」

それを聞いた瞬間鳥肌モノでした…

先生やナースさんをはじめ、
そんな影では両親、兄弟、親戚、友人などほんとたくさんの方々からサポートをしていただきました。
みんなからのサポートなしでは
生きる気力もなくて退院まで至らなかったと思います。
病気になって、「どうして俺がこんな事になるんだ」
めちゃくちゃネガティヴになったりもしたけど
両親や友人が太陽の様にあったかい言葉をかけたりしてくれたので
こんなにサポートしてくれてるんだから前向かないとな。
という思いになれました。

病室みたいにああいう空間にずっと居ると
当たり前だと思っていた今までがどれだけありがたいことなのかを
実感することができました。
今ここで鼻から息吸っていられるのはどんなにありがたいことか。
目を開けて何かを見られること。
耳で音を聞き取れること。
ご飯を食べ味を感じられること。
肌で空気を感じられること…
考えれば考えるほどキリがありません。
今回、松果体部混合性胚細胞腫瘍という数十万に一人いるかいないかの病気にはなったけど
この病気がいろいろ教えてくれたことがあったので
僕はむしろ病気にかかってよかったと思ってます。
この経験なしでは、
親、兄弟との関係も浅いままだったし
自分自身昔と比べて前向きな思考になることができたし
もうほんと全てに感謝です…
ありがとう。

そして、最後までご閲覧してくださってありがとうございました^^
出来事をそのまま書き綴った内容でしたが、
こういう人もいるんだ〜程度で
ほんのちょっとでも何かの役に立てたら幸いです。

闘病記はここまでですが
これからは定期健診や今現在の様子などいろんな形で
更新していきたいと思いますので
引き続きお気軽にご覧ください(^_^)

入院最後の抗がん剤!【3クール目】

およそ4週間の時間が経過して2クール目からの免疫力が安定してきたので、いよいよ3クール目に突入します。
さすがにもう3回目なので、流れるがままにして鎖骨下の胸に通すカテーテルの処置をし(やっぱりこれは何回目でも痛い…w)、抗がん剤投与(3日間)が始まりました。

抗がん剤投与初日は、2クール目の初日の時よりも
かなりの差でどっしりとダルさを感じ、かろうじて吐き気はなかったんですが
食欲が全くなくなってしまいました…
初日は主にポカリスエットを飲んでいて、利尿剤も一緒に投与されてるのでおしっこの量は相変わらず物凄く多かったです。
尚且つ、また副作用の残尿感が出て常に違和感がつきまとう感じはありました。
抗がん剤投与期間中の食事後は毎回しゃっくりが出てたんですが、今回食欲がなくなった影響なのかしゃっくりは1回も出ませんでした。

そして2日目は、便秘になった程度で初日に比べるとダルさは少し和らぎました。
多分初日は投与する抗がん剤が3種類で、
2日目は投薬が2種類で少ないからでしょうね…

ついに最終日。
便秘が続くので便を促すための酸化マグネシウム(錠剤)を渡されて飲んでました。
飲んでも便は出なかったんですけど、今当時を振り返るとご飯を全然食べてなかったからかもしれないです…
それで相変わらず残尿感が続いていて、モヤモヤ感がさすがにキツく感じてきたので
勢いよく力んだら赤い液体が出てきて、それが血尿だったんですね。
血尿を見た途端焦りで冷や汗が出てきてすかさずナースコールを押してナースさんに血尿が出たことを話したら
「抗がん剤の副作用で膀胱炎になってますね」と。
さらに血尿を抑える薬剤も投与されました。
それから点滴が終わるアラームが室内に鳴り響いて、
抗がん剤終了となりました。

けど、これからまた4週間をかけて免疫力の回復を待たなければいけないので
毎回同じことですが感染症予防は徹底的に。
手洗いとうがいは頻繁にするようにしてました。
免疫力が回復したところでこれから
血液検査、髄液検査、造影MRI検査を受けることになります。

入院中のリハビリ

抗がん剤2クール目の投与が終わって、
そこから2週間にかけて免疫力が下がり
また2週間で回復を待ちっていう感じでした。

ただ今回の待ち時間(約4週間)では
身体が少しでも衰えないように軽く筋トレをしたり
リハビリテーション科の先生と一緒にリハ室で器具を使ったトレーニングなどやっていました。

入院してからほとんどがベッドで過ごしていたので
筋力の低下は物凄かったなぁと思います…
ほんっとうに久々に腕立て伏せをしようとしても
全身が笑っちゃうぐらいにブルンブルン震えちゃって、
体が持ち上がらずに倒れこんじゃう時もありました(-_-)
思い返せば、僕は最初5階の一般の病棟にいて
主治医の先生が小児担当なので
放射線治療中に部屋の階が6階の小児病棟に移ったんです。

6階の担当ナースさんがベッドで寝てばっかでいる僕に対して
良い意味で口を尖らせて、
「起き上がってないと体衰えるよ〜、お兄さんなんだから動かなきゃ〜」とか言われたのを覚えてます(^o^)笑
あと肝心なのがストレッチですね!
筋肉って動いてないと硬くなる性質があるので
寝る前には必ず肩周りと股関節周りを伸ばしてました☆
寝る前にストレッチをしておくと
睡眠が深くなる感じがしたので進んでやってました!
ただ、あまりにも疲れが溜まってるなぁ…
っていう時は体の思うままにして横になってましたね^^

抗がん剤【2クール目ICE療法】

心と体のリフレッシュを満喫できた10日間の外泊があっという間に終わり、病院へ戻ってきました。
血液検査が行われ、結果の一覧シートをもらい白血球数と腫瘍マーカーの値を真っ先に見ます。
やはり、放射線治療で脊髄(背骨)に照射されたので
よっぽど造血機能が弱ってるみたいでした。

一方、一番肝心な腫瘍マーカーの値は
全て正常値まで下がり、陰性化した事が明らかとなりました!
放射線治療の副反応で脊髄液の通り道に腫瘍細胞が散らばる播種が起こってなかったのでホッとしてため息が出ました…
検査結果に異常はないということなので、
2クール目の抗がん剤(ICE療法)に入ります。

鎖骨下の胸から中心静脈に点滴の管を通す処置を行い、(これがまた前回同様痛かったです泣)
これでやっと薬剤投与という流れですね^^

2クール目は1クール目とは身体の応え方が少し変わって、
3日間あるうちの、初日からもうぐったりとダルさが強く出る感じで、
前回は漫画を読みながら投与されてたのですが
今回は何もする気力がなくてひたすらベッドの上で寝てました( ´Д`)
この時点で病院食が食べにくくなり、
わがままなのは承知してますが
親が家のご飯を持ってきてくれてましたm(._.)m

先生が、「恐らく、度重なる薬の投与と放射線の影響で味覚が変わってると思う」
という事でした。
ただ、まだ幸いだったのは
2クール目も吐き気が来なかった事です。
今回も前回と同じように、
サイモントン療法を自分の意識で心掛けてたので
その効果が大きかったのかなと思います^^

リフレッシュ!外泊で久々我が家^^

今まで
ICE療法1クール→腫瘍摘出手術→放射線治療
となんだかんだ順調にやってきて先生からついに
「外泊でもしてシャバの空気吸ってリフレッシュしてこい^^」
という許可が降りました(笑)!

免疫力低下の影響で個室に入れられてずっとこもりっぱなしだったので
外泊が決まった瞬間は嬉しさのあまりうるっとしたような記憶が。笑
そして久々の我が家へ。
久々の家族、そして犬( ´Д`)
その場にいるだけで癒される感じがして
なんか生きてるなぁっていう実感が湧きました。
本当に、一つの部屋に密閉された状態で外に出ると
神経が過敏に反応する感じで呼吸する時の空気が鼻に入って喉を通って肺に行く感覚がわかるんです。
人間の身体って不思議だなぁと思いますね。
外泊中は特にこれといった事はしてないんですけど、(体力の影響と、感染症予防のため)

普通に朝起きてご飯食べて、テレビを見て、母や兄弟とトークしたり、
犬の散歩したり、風呂入って寝るみたいな流れですね。
1日過ごすだけでもかなり身体は応えました(^◇^;)
その分ぐっすり眠れたので良かったですけど^^
外泊は10日間したのですが、
病院の規定で5泊以上はできないので、
5泊したら一旦病院で1泊した後、
また5泊っていう風になりました。
大分気分転換でリフレッシュできたので、
ほんと感謝です。

外泊が終われば次は
ICE療法(抗がん剤)2クール目です…!!